以上、Kickstartインストールの基礎について説明しました。次に、Kickstartファイル自体について見てみましょう。Kickstartファイルはさまざまな項目を含む単純なテキストファイルです。各項目にはキーワードが付いています。作成は、Red Hat LinuxドキュメンテーションCD-ROMのRH-DOCSディレクトリに含まれるsample.ksファイルをコピーし編集します。あるいは、最初から作ることもできます。Kickstartファイルの編集には、ファイルをASCIIテキストとして保存できれば、テキストエディタを使ってもワードプロセッサを使ってもかまいません。
まず、Kickstartファイルを作るときは、次の点に注意します。
項目には、順序があります。次の順に記述します。
<コマンド部分> <%pre、%post、%packagesの任意の組み合わせ> <インストールクラス> |
必須でない項目は省略可能です。
必須項目が省略されている場合、インストールプログラムは通常のインストールと同様に、ユーザーに設定を問い合わせます。それに答えれば、自動インストールは続行します(ほかにも省略された必須項目がなければ)。
シャープ記号(#)で始まる行はコメントとして扱われ、無視されます。
Kickstart アップグレードの場合には、必須項目は次のとおりです。
言語
インストール方法
デバイスの指定(インストールの実行にデバイスが必要な場合)
キーボードの設定
upgradeキーワード
LILO設定画面
アップグレード時に他の項目を指定しても、無視されます(この中にパッケージの選択も含まれることに注意)。
Kickstartファイルはコマンド、パッケージ一覧、スクリプトの3つのセクションからなります。ファイルの形式は次のとおりです。
<Kickstartコマンド>
%packages
<パッケージ一覧>
%post
<Postスクリプト>
順序が重要です。ランダムに記述することはできません。Postセクションをファイルの末尾に置けば、ファイルは終了します。Postセクション以外に、ファイルを終了させるための印を付ける必要はありません。